ハナダギ
ハナダギ ( 花酒 )
蒸留して最初に得られる70度以上の酒を「ハナダレ」といい、
市販用は、これを60度まで落として出荷される。
かつてハナダギ(花酒)を取るのは少量であり、
それ以下の酒は「サギ」と称した。
ハナダギは最高級品なのである。
一般に酒は神への祭祀と関係が深く、
与那国の結婚式では、「トンダンブ」に餅とご馳走を盛り、
錫製の「キービン」にハナダギを入れて贈ったという。
黒島などでは、初留を「ア-ムル(泡盛る)」と呼ぶ。
現在は主に、ステンレスタンク貯蔵である。
泡盛は瓶詰めされたものを寝かせても熟成がすすみ、
古酒化するとされている。
舞冨名60度古酒は、芳醇で骨太な絶品。
かつての麹室での作業名と写真を、いくつかご紹介。
・カチャイ---蒸した米と黒麹菌をニクブク(藁むしろ)で包む。
・ヒロガイ---温度が上がった米を、麹室でニクブクの上に広げてさます。
・ディーミ---指でつまんで小さな山形をつくる。
1972年の復帰以前は、当時の酒税法により与那国島以外で
花酒を買って飲むことはできなかった。
復帰の2年後、「どなん花酒60度」を、当時、町会議員をしていた
入波平毅氏が大蔵省と折衝して、県外でも入手できるようになった。
平成16年から、沖縄県内で製造された泡盛には「琉球泡盛」と
表示されるようになった。
しかし、泡盛の規定が45度以下であることで、アルコール度数が、
60度の「花酒」などには、「琉球泡盛」の表示できない。
花酒が、与那国島の特産品であることの ★ 証し★ 。
☆☆☆ 花酒新酒★与那国三兄弟 ☆☆☆
左から、崎元酒造所/与那国・30度新酒。
入波平酒造/舞冨名・30度新酒。
国泉泡盛 /どなん・30度新酒。
泡盛銘柄地図--与那国島には、3箇所の酒造所がある。
与那国で考案された、クバで化粧した「花酒」も、是非、お楽しみください。
引用資料
・田中愛穂著「琉球泡盛ニ就イテ」1978.
・萩尾俊章著「泡盛の文化史」2004.
・大本幸子著「泡盛百年」2001.
・田崎聡著「泡盛ブック」2002.